ぽわんとうるえ 「泣いてもいいよ」その1

ぽわんとうるえ 「泣いてもいいよ」

今日きょう、ぽわんはかわりにことにしました。

 

サワサワとながれるみずおといていると、かなしいことや、いやことも、こころからながしていくようだと、そうおもいながらかわながめていました。

 

と、そのときです。

 

バシャン!

 

「わっ!」

 

ぽわんがおどろいていると、

 

一緒いっしょみずあそびをしないかい?」

 

と、かわなかからことが、ぽわんに笑顔えがおはなしかけます。

 

「う…ん」

 

「よぅし…」

 

そうって、そのはケラケラとわらいながら、ぽわんのうで引っ張ひっぱります。

 

「わぁっ!」

 

バシャン!

 

ぽわんをかわきこんで、またケラケラとわらいます。

 

ぼくは、うるえ。きみは?」

 

そうかれて、かほそこえでぽわんがこたえます。

 

「ぽわん…」

 

「ふーん。ぽわんか。名前なまえだなぁ。

 

ねぇぽわん、あそこのいわまでどちらがはやおよげるのか、競争きょうそうしようよ!

 

それっ!」

 

ぽわんはなんだか、むねがドキドキしてしまいました。

 

名前なまえだなぁ―

 

ぽわんはいつも、まわりのどもたち

泣き虫なきむしぽわん」

弱虫よわむしぽわん」

われています。

 

名前なまえだけでばれたことければ、名前なまえめられたこともありません。

 

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